石が手作り指輪で輝くには、加工があってのことです。
加工されていない石が施されている手作り指輪は、探せば1つはあるかもしれません。
でも少なくとも日本で流通している手作り指輪に限って言えば、100%加工された石が使われています。
職人は石が少しでも輝くように加工をした上で、手作り指輪にあしらいます。
石の加工方法には色々な方法がありますが、代表的な加工法について紹介します。
日本で流通している色がついた石の多くは、加熱処理によって加工されています。
逆に加熱処理されていない石を探す方が、難しいかもしれません。
色を鮮やかにする為の成分が石の中に含まれていますが、原石の状態では成分が固まってしまい、色がくすんでしまっています。
そこで1000度という高熱で石を焼き、中で固まっている成分を溶かします。
すると色が鮮やかになり、美しい輝きとなるのです。
含浸処理(がんしんしょり)は、主にエメラルドに行われている加工方法です。
どこの産地で採掘された石であっても、無傷で採掘されるとは限りません。
既に傷ができている石など、採掘された時点で見た目が悪くなっています。
そこで石が持つ光の屈折率と同じ物質を石に浸すことにより、傷を目立たなくさせます。
これが含浸処理です。
最近人気があるカラーダイヤモンドは人気が高く、求める人は跡を絶ちません。
カラーダイヤモンドは天然のものもありますが、市場に出回っているカラーダイヤモンドの多くは加工されたものです。
カラーダイヤモンドは、放射線処理によって作られています。
ラジウム塩やラドンなどをダイヤモンドに照射して色を出しているという訳です。
職人によって生み出された手作り指輪に使われている宝石のほとんどは、加工されたものです。
「加工されたもの」と聞くと、嫌な思いをする方もいらっしゃるでしょう。
でも職人の手にかかれば、加工されているかどうかは気にならなくなります。
職人が生み出した手作り指輪の美しさは、時を忘れてしまうほどの魅力があるからです。